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メタボリズムの未来都市展-森美術館
January 18, 2012
森美術館 (MAM)は、東京でもお気に入りの美術館の一つです。常設展がないにもかかわらず、日本の現代美術から建築やデザイン、ファッションまで多種多様で興味深いアートの世界を堪能できる企画展を常に繰り広げてくれます。そして森美術館では、数年に一度、建築関連の展覧会が開催されます。森ビルが都市再開発事業などを営む総合ディベロッパーであるだけに、建築に関する展示は特に質の高いものになっています。
今回MAMで開催されている展覧会は「メタボリズムの未来都市展」と題された、 日本生まれのメタボリズム建築運動にフォーカスした初の回顧展です。この運動は、私の個人的に尊敬する建築家でもある丹下健三氏に大きな影響を受けています。展示の説明によると、メタボリズムとは、生物学用語で「新陳代謝」を意味し、「建築や都市は、生き物のように環境に適応して進化し、姿を変えながら増殖し続ける能力がある」という考え方がもとになっているそうです。
私は幸運にも森ビルのスタッフの方に案内してもらいながら展覧会を楽しむことができました。とても面白い解説をしていただき、一人で見るよりもずっと充実したツアーになりました。展覧会は時系列で「メタボリズムの誕生」から「グローバル・メタボリズム」までの4つのセクションに分かれています。各セクションには、模型、写真、またメタボリズムに関連のあるプロジェクトなど、実在から仮想まで、コンピュータで最新CGを駆使したビデオによる再現映像の展示も含まれていて、大変見応えのある内容になっていました。
特に印象的だったのは、丹下健三氏の作品である国立代々木競技場や聖マリア大聖堂など、東京でも私のお気に入りの建築が、写真とともに忠実に再現された模型が展示してある大きなスペースです。ちなみに、聖マリア大聖堂は2005年に丹下氏ご自身の告別式が行われた場所でもあり、まさに氏の魂がこもる渾身の作品として著名な建築となっています。
また、他にも目を奪われたのは、1970年代に行われた大阪万博を見事に再現スペースです。当時として、とても画期的でイノベーションに満ちた建築プロジェクトだったことを知り、「実際に訪れてみたかった!」と思ってしまいました。しかし、幸いにもメタボリズムの建築家たちが設計した建築物は、今日でも世界のあちこちで目にすることができます。近代建築の奥深さを堪能したいみなさん、是非こちらの展示会に足をのばしてみることをおススメします!
ケリー