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革新性にあふれたフォスター+パートナーズ
February 24, 2016
2016年1月1日から2月14日まで東京シティビューのスカイギャラリーにて、イギリスの国際的建築設計組織「フォスター+パートナーズ」のこれまでの設計やイノベーションを紹介する展覧会が行われました。ノーマン・フォスター率いるフォスター+パートナーズは、世界45カ国で300のプロジェクトを遂行し、現代建築に大きな影響を与えています。
私はフォスター+パートナーズという名には聞き覚えがあったものの、具体的なことはあまり知りませんでした。展覧会を訪れてみると、見覚えのある多くのデザインやランドマークが、彼らが手がけたものだとわかり驚きました。展覧会の最初のセクションは、フォスターと、彼の協働者であったリチャード・バックミンスター・フラーとの関係性、そしてフォスターがフラーから受けた影響について取り上げています。フォスターとフラーは、建物は周囲に調和し魅力を高めるべき存在であるという考えのもと、多くのアイディアや問題意識を共有していました。
展覧会でおそらく最もインパクトが強いのは―そして本展覧会においてフォスター+パートナーズの思想が形となって目に見えるのは―彼らの代表的なプロジェクトを模型を用いて紹介するセクション。《セインズベリー視覚芸術センター》(このプロジェクトの解説には、フォスターの設計した建物の重量をフラーが尋ね、フォスターが計算をして答えたという面白い逸話が紹介されています)、《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》、大英博物館《グレートコート》、《ボストン美術館》、ロンドンにそびえる通称「ガーキン」、そして様々な空港など、多くの小型模型を見ることができます。ここで見られる高層ビルの模型の中には、東京湾への建設を想定して1989年に設計された《ミレニアム・タワー》もあります。建設が具現化することはありませんでしたが、実現していれば高さ840mの高層建築となっているところでした。
その他でとても興味深かったのは、月面や火星に住居をつくるという構想。こういったことは建築家ではなく科学者の領域だと思っていましたが、フォスター自身が言うように、「ストーンヘンジ以来、建築家は常に技術の最先端にいる。建物の持つ人間的・精神的な要素と技術は切り離すことはできない」ということなのかもしれません。
ケリー