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虎ノ門ヒルズに登場したパブリックアート
March 03, 2015
東京はとても美しい街です。どこまでも手入れされた緑。風格と謙虚さを兼ね揃えたお寺や神社。最先端の建築。この街には、どこへ行っても素晴らしい何かがあります。しかし、実はこの街には多くのパブリックアートも点在していることにはお気づきでない方も多いのではないでしょうか。駅のホームの隅や、狭い路地の奥にひっそりと佇む小さな石像から、誰の目をも引く巨大な作品まで、その種類はさまざま。実は昨年の終わり、虎ノ門ヒルズにも巨大な、ある特別なパブリックアートが設置されました。
ルイーズ・ブルジョワによる蜘蛛のブロンズ彫刻「ママン」が六本木ヒルズのシンボルになったように、虎ノ門ヒルズに登場したジャウメ・プレンサの作品「ルーツ」が東京のランドマークになる日も近いでしょう。
白く塗装されたステンレススチール製のこの作品は、膝を抱えて座る人間をかたどっています。スチール製の曲線によって形作られたその造形からは、鳥かごのような印象を受けます。実は、この曲線でかたどられた形の一つ一つは8つの言語―アラビア語、中国語、ギリシャ語、ヘブライ語、ラテン語、ヒンディー語、日本語、ロシア語―の文字なのです。
「一つ一つの文字は人々の記憶や歴史を象徴していますが、それらの文字をつなげることで新たな価値が生まれるのです」とプレンサ氏は語ります。「一人一人の人間の存在の素晴らしさとこの世界(の調和)の美しさを称えるとともに、虎ノ門ヒルズと人々との架け橋、そして人々の憩いの場になって欲しいと願っています。日本は、現代的で最先端なものと伝統的なものが共存している特別な国。根(ルーツ)が土から芽を出すように、伝統という豊かな土壌から、新しい文化や発展が生まれているようなイメージを持ちました。」
プレンサ氏の語る「土壌」に立つこの作品「ルーツ」は、やわらかな芝生の広場と緑の木々に囲まれ、晴れた日には透明の青空を背景とします。東京の最先端の高層ビル、虎ノ門ヒルズの傍らに登場したこのパブリックアートは、休憩や考え事をする人に寄り添ってくれます。
ケリー