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イノベーティブ・シティ・フォーラムに集まった創造力あふれる識者たち
November 26, 2014
昨年に引き続き、今年も「イノベーティブ・シティ・フォーラム」が開催されました。今年の会場は、六本木ヒルズではなく、虎ノ門ヒルズ。
国内外を問わず集まった学者、クリエーターや公共政策の識者、美術館館長など、分野を超えた専門家によるセッションは非常に幅広いトピックを扱っていました。
私が参加したキーノートセッションでは、慶應義塾大学教授でありアカデミーヒルズ理事長を務める竹中平蔵氏による挨拶のあと、MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏が登壇。「科学とデザインがもたらす複雑性への考察」というテーマで行われたスピーチに、聴衆は惹きつけられました。
中でも興味をそそられたのはマサチューセッツ工科大学を始めとする大学で取り入れられている、新しい「デザインの教え方」についての話題。そこでは、生徒たちの創造性やイマジネーションを育むため、様々なものを創り上げたり試みたりする自由が与えられているそう。
また、他に印象的だったのは、科学とデザインを融合させることによって、人間の動きを真似ることのできる人工関節を開発した伊藤氏の同僚のお話。この人工関節のおかげで、ボストンマラソン爆破テロ事件で足を失ったダンサーが再び踊る喜びを得られたそうです。
伊藤氏に続いて登壇したのは、タイ王国文化省事務次官のアピナン・ポーサヤーナン氏。「クリエイティブカオス:混沌とした未来のためのアートとデザイン」というテーマで、タイ国内で起きた自然災害や政治的混乱で危機に陥った人々がいかにアートやデザインに勇気付けられたかを語ってくださいました。特に、2004年の津波で傷ついた人々を癒すため、世界中からアーティストを集めて、公共のビーチや公園にアート作品を飾ったという一例は印象的でした。
一つ一つのスピーチが興味深く、きっと聴衆の皆さんの頭の中にたくさんの新しいアイディアや創造性の種がまかれたことと思います。
来年も開催されるイノベーティブ・シティ・フォーラムに参加するのが楽しみです。
ケリー